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岩石風化促進技術(ERW)の社会実装に向けた研究開発を加速「岩石風化促進技術研究組合(J‐ERW)」の設立
2026.05.18
このたび、日本の地質や資源条件に適した評価手法(炭素会計)の確立、および客観的な測定・報告・検証(MRV)プロトコルの研究開発をオールジャパン体制で推進するため、本学が組合員となり、本学大学院工学研究院の佐藤 努教授を代表理事とする「岩石風化促進技術研究組合(略称:J-ERW)」が設立されました(2026年3月5日経済産業大臣認可、3月11日法人成立)。
2026年5月には、本学ビジネス・スプリング(札幌市北区)に同組合の事務所が開設され、産学官連携による実証と社会実装への取り組みがいよいよ本格化します。
本センターは、J-ERWと緊密に連携し、産学官の協創を牽引してまいります。
佐藤 努 教授(代表理事・工学研究院)のご挨拶
「このたび、岩石風化促進技術研究組合(略称:J-ERW)が発足いたしました。二酸化炭素除去(CDR)技術をめぐっては、国内外の大学・研究機関・企業において多様な研究開発が進展しており、新たな技術も次々に生まれています。しかし、その社会実装には、技術開発だけでなく、制度設計や標準化、社会受容性の醸成など、多面的な取り組みが不可欠です。
技術研究組合は、技術研究組合法において、「産業活動において利用される技術の向上及び実用化を図るため、これに関する試験研究を協同して行うために必要な組織等について定める」ことを目的とした制度です。産学官がそれぞれの強みを持ち寄り、競争領域を超えて連携することで、研究開発から実装までを一体的に推進・加速できる点に大きな意義があります。
岩石風化促進技術は、長期的かつ大規模なCDRの可能性を有する重要な選択肢です。日本としても、オールジャパンで力を結集し、欧米と並ぶ形でCDRの実装と普及を進め、次世代へ持続可能な社会を引き継ぐ覚悟を持って取り組んでいく必要があります。
J-ERWは、経済産業大臣認可の技術研究組合として、岩石や産業副産物等を活用したCDR技術の研究開発・社会実装に取り組まれている研究者、技術者、事業者、さらには政策立案に携わる皆様にとって、分野横断的な連携や対話を生み出す窓口となり、新たな協創の場として機能することを心より願っております。多様な知見と挑戦を結集し、日本発のCDR技術を社会へ実装していくための推進力となれるよう、取り組みを進めてまいります」
【用語解説】
- ERW(岩石風化促進技術 / Enhanced Rock Weathering) 自然界で何万年もかけて行われている「岩石が二酸化炭素(CO₂)を吸収しながら風化する現象」を、岩石を細かく砕いて撒くことなどで人為的に加速させ、大気中のCO₂を効率的に削減・固定化する最先端の気候変動対策技術。
- CDR(二酸化炭素除去 / Carbon Dioxide Removal) 大気中から直接CO₂を回収し、地中や海洋、永続的な製品内などに長期間にわたって安全に隔離・貯留する一連の技術やプロセスの総称。
- MRV(エム・アール・ブイ)プロトコル 温室効果ガスの削減効果について、適切に「測定(Measurement)」「報告(Reporting)」「検証(Verification)」するための一連の手続きや規律のこと。炭素クレジットなどの取引において、その削減量が本物であるかを証明する世界共通のルール(プロトコル)として極めて重要視されています。
- 炭素会計(Carbon Accounting) 企業や組織が、自らの経済活動によってどれだけの温室効果ガスを排出したか、あるいはどれだけ削減・吸収したかを、価値(量や金額)として測定・記録・報告するための会計手法。
関連リンク
北海道大学 工学研究 佐藤 努 教授(研究者紹介)
岩石風化促進に関する北海道大学プレスリリース
岩石風化促進技術研究組合公式ウエブサイト