北海道大学グリーントランスフォーメーション先導研究センター

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第3回GX懇談会活動報告

2026.03.06

北海道のエネルギーは、いま大きな転換点に立っています。

再エネ導入が急速に進む一方で、系統混雑や慣性低下といった課題が、全国に先駆けて姿を現し始めています。各分野の専門家が語ったのは、単なる技術や制度の説明ではなく、それぞれの立場から見える「課題の裏側」と「未来への希望」。
政策、研究、地域実装、3つの視点が重なり合うことで、北海道が抱える課題の輪郭が少しずつ浮かび上がっていきました。そして、その断片がつながったときに見えてきたのは、北海道から始まる次世代エネルギーシステムという未来像です。当日は75名の参加者が集い、自治体、企業、研究機関が一堂に会し、それぞれの知見と想いを持ち寄る場となりました。

経済産業省 資源エネルギー庁の山田努様からは、再エネ大量導入に伴う系統課題と分散型エネルギーシステムに関する最新の政策動向について録画講演いただきました。

NEDO 再生可能エネルギー部の小笠原有香様からは、北海道で進む蓄電池実証や慣性低下対策など、技術による課題解決の取り組みをご紹介いただきました。北海道で得られる知見は、今後の全国展開にも繋がる重要な成果となることが期待されます。

北海道大学からは、蓄電池材料に関する最新の研究成果や、バイオマス由来デバイスなど、将来のエネルギー技術の可能性に関する研究の一端をご紹介いただきました。基礎研究の進展は、長期的な技術選択肢の拡大につながる重要な視点として共有されました。

北海道北部風力送電株式会社の松尾敏様からは、北豊富変電所における720MWh蓄電池システムの運用と社会的意義について、また千代田化工建設株式会社の足永吉誕様からは、同システムの建設・保守に関する取り組みについてご紹介いただきました。

東松島市の渡邊健太郎様からは、震災の経験を基に構築されたスマート防災エコタウンと、脱炭素先行地域としての地域実装の取り組みをご紹介いただきました。震災から15年を迎える3月11日を前に、エネルギーの在り方を改めて見つめ直す機会ともなりました。

これらの発表を通じ、北海道が直面する課題は決して孤立したものではなく、政策・技術・地域実装が連携することで未来の電力システムへとつながっていくことを示しています。北海道から始まる次世代エネルギーの姿を参加者全員で共有する機会となりました。

最後に、震災の痛みを未来の力に変え、地域の暮らしを守るためにエネルギーを選び続ける東松島市の取組は、私たちに「エネルギーは街の希望を支える基盤である」ことを教えてくれました。北海道で先行して顕在化する課題に向き合いながら、産学官とともに2050年ネットゼロの実現に向けて、GX先導研究センターは今後も取り組みを進めてまいります。

【北海道大学 研究紹介】

小林弘明 (理学研究院・准教授)研究テーマ:蓄電池材料▼研究紹介はこちら

浦木博光(農学研究院・教授)研究テーマ:バイオマス由来デバイス▼研究紹介はこちら

【講演者一覧】

・経済産業省 資源エネルギー庁 山田努 様 | ▼講演詳細はこちら 

・NEDO 再生可能エネルギー部 小笠原有香 様 | ▼講演詳細はこちら 

・北海道北部風力送電株式会社 松尾敏 様 | ▼講演詳細はこちら 

・千代田化工建設株式会社 足永吉誕 様 | ▼講演詳細はこちら 

・東松島市 渡邊健太郎 様 | ▼講演詳細はこちら

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