北海道大学グリーントランスフォーメーション先導研究センター

お知らせ

学内研究者向け【第6回GXサロン活動報告】

2026.03.31

― ノーステック財団と描く「研究シーズの社会実装」への設計図 ―

優れた研究成果が、製品化や事業化に至る前に力尽きてしまう領域を「デスバレー(死の谷)」と呼びます。
脱炭素技術をはじめとする研究シーズを、いかにして「ラボの棚」から引き出し、この深い谷を越えて「社会の現場」へと届けるか。
その鍵は、技術そのものの磨き上げ以上に、現場の切実な課題と技術を編み直す「実装の設計図」にあります。

2026年3月31日(火)フロンティア応用科学研究棟1階SDGsオアシスにて、第6回GXサロンを開催しました。今回のサロンでは、地域の研究開発を強力にバックアップするノーステック財団の方をお招きし、基礎研究から事業化・実用化までをシームレスにつなぐ助成金制度やGAPファンドについて、詳しくお話を伺いました。


・参加者:研究者・学内関係者など32名
・内容:制度概要、申請のポイント、活用事例の紹介

個別相談では「採択率を高めるコツ」等、切実な質問が相次ぎました。特に印象的だったのは、「申請書の事前チェック」という伴走型支援の存在です。この踏み込んだサポート体制は、研究者にとって非常に心強く感じるものでした。

社会実装とは、単に優れた技術があれば進むものではありません。「関係性」と「仕組み」をいかに設計するかという戦略の問題です。当センターでは、社会実装へのフローを次のように整理しています。

  1. STEP1:サロン・懇談会(出会いと課題の可視化)
    外部専門家を交え、地域課題や技術の可能性を言語化する戦略的対話の場。
  2. STEP2:中間支援(地域企業との接続)
    ノーステック財団等のネットワークを活用し、技術を必要とする企業や生産者との接点を創出。
  3. STEP3:地域企業(ニーズの具体化)
    現場の課題解決に向け、技術がどのように価値を発揮できるかを具体的に検討。
  4. STEP4:実証(技術価値の提示)地域の強みを活かした実証試験を行い、導入可能性を評価。ここが社会実装に向けた不可逆的なステップ。

このフローの最大の特徴は、STEP4で得られた知見が再びSTEP1へ戻り、次の改良や研究テーマへとつながる「循環型サイクル」である点です。この循環を回し続けることで、地域に最適化されたGX(グリーントランスフォーメーション)を実現します。既に複数の研究者・企業から実証に向けた相談が寄せられており、循環の第一歩が動き始めています。

共に「第一歩」を踏み出す皆様へ

企業の皆さま:自社課題を解決する技術・研究者とのマッチングの場として。
研究者の皆さま:技術を社会へ届けるパートナー(企業・自治体)との接点として。
自治体の皆さま:地域課題と大学の知を繋ぎ、地域創生を加速させるハブとして。

GXは、誰かの大きな決断で成し遂げられるものではありません。
異なる立場の人々が対話を重ね、小さな気づきを積み重ねることで前に進んでいきます。
当センターのサロンや懇談会は、その第一歩となる場です。
ここから生まれる関係性と仕組みは、地域における社会実装の基盤となるだけでなく、将来的には産学官が協働して教育・研究の新しい形へと発展していく可能性を秘めています。

気候変動の影響はすでに自然災害の激甚化・頻発化として現れており、地球温暖化対策は世界的に喫緊の課題です。こうした現実を直視し、地域から対話と協働を積み重ねる取り組みを進めていくことは、私たちが未来に対して果たすべき責務でもあります。

北海道は広域分散型の地域構造と再エネポテンシャルを併せ持ち、循環型の社会実装モデルを構築するのに最適なフィールドです。当センターの実証から社会実装へとつなぐ挑戦は、これからも続いていきます。

関連リンク:ノーステック財団
関連リンク:ノーステック財団2026年度研究開発助成事業
関連リンク:【半導体/GX関連技術シーズ育成事業】GX関連技術シーズ育成補助金

お知らせ一覧